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バケツと状態変化

93ホ

【版権 オナホ化】
『あれ』から、数ヶ月が経った。マスターとわたしの生活は以前と大きく変わることも無く、平均点以上の毎日を積み上げていた。……『あれ』については、説明すると長くなるしこそばゆいから、とくに説明しない。ただ、部屋の隅に置いたあの機械には、月一くらいでお世話になってる、とだけ。……ごめん嘘、週に一回くらい。まあ、そんなことは大した問題じゃないんだけど。

今日も、二人で曲をかいて、夕飯を済ませて(肉じゃがを作った)、それでお風呂も済ませて。リビングで、のんべんだらりと過ごしていた。

わたしは向き合うように椅子に座り、マスターの晩酌につきあっている。とりとめのない話を重ねて。彼が焼酎の注がれたグラスを傾けると、柔らかい蛍光灯の光が反射してきらりと光る。氷がぱきりと軽快な音を立てた。陶酔とも恍惚ともとれるような目つきで、それをマスターは眺めている。珍しく、彼は酔っているようだった。
「ぐみー?」わたしを呼ぶと、彼は無邪気に笑った。
「ん?」
「いつもありがとねー」
「いいよ」
そう返すと、彼が嬉しそうにする。感謝されてるのに、わたしも嬉しくなるから、不思議だ。芋焼酎の甘い匂いがくすぐったい。
「ねえ、グミ」
「んー?」
お酒のせいか、彼は頬を薄く紅に染めている。
「しない?」

「……いいよ」



部屋の電気は橙の豆球だけ。薄暗い中のベッドの上で、わたしとマスターは向き合って座ってる。自分で脱ぐからと伝えて、パジャマのボタンに手をかけた。綿布の優しい温かさが離れて、部屋の涼やかな空気がわたしを包む。それなのに、心なしか体温が上がったような気がする。落ち着いたような、そわそわするような。よくわからない。
準備できた? との言葉に黙って頷くと、彼は錠剤を差し出した。俯いたままそれを受け取って、ぐいと嚥下する。少しして、身体が重く、けだるくなって、いよいよ、下ごしらえが終わった。これから、じっくり彼に料理されるんだ。口の中に湧いた唾を、くっと飲み込んだ。

「あのさ、グミ。今日は、お願いがあるんだけど」

マスターがいつになく積極的で、少し驚いた。今までは、わたしが服の裾を引っ張らないと付き合ってくれなかったのに。お酒のせいだろうか。……いつもわたしに気を遣ってばかりで隙を見せない彼が、甘えてくれてるみたいで、なんだか嬉しい。これからは度数の高いものをどんどん呑ませて、酔わせてしまおうかな、なんて。我ながら単純だ。
彼は、続ける。

「今日は、これも飲んでほしいんだ」

差し出された手のひらの上には、大きめのカプセル型錠剤があった。

「この薬は……いや、嫌だったらいつも通りでもいいんだよ。えっと、グミはここ最近毎日機械使ってるみたいだし、飽きないかなぁって思ったり」
彼は目を細め、言いよどむ。言葉を選んでるのが分かる。わたしは黙って聞く。……なんで毎日使ってるのを知ってるのか問い詰めたくはあるけど。
「んと、グミは、その……オナホって知ってる?」
「……まあ、きいたことは」実物は見たことない、と暗に示した。
「この薬を呑むと、えっと……オナホになっちゃうんだけど……いや、やっぱり嫌だよね、そんな、急に言われても。よくわかんないだろうし」

言い進めるうちに思うことがあったのか、急に彼の言葉から勢いがなくなる。左手を閉じると、何やってるんだろう、おれ、と自嘲するように笑った。忘れてくれ、とも続ける。

その仕草が、また、頼ってくれないのかと寂しくて、我慢ならなかった。わたしの前に座った彼に抱きついて、ぼすりと押し倒す。突然のことに、彼が驚いて声を漏らしたけど、気にしない。落ち着くような、いい匂いがする。微かに汗ばんだ彼の身体はごつごつして、わたしの身体よりも冷たかった。

「……グミ?」
「君のそういうとこ、嫌いだな」
ゆっくりと起き上がって、仰向けの彼にまたがる格好になった。それからすぐ、彼の手から錠剤を奪って、躊躇なく口に含み、喉下した。目を丸くする彼に向かって、言葉を吐き出す。
「なんだっていいし、なんだってしてあげるよ」
してあげたいから、とは勇気がなくて、言えなかった。自分がどんな表情をしているか、分からない。胸のあたりがどきどきして、手や足がちょっと震えて、自分が自分じゃないみたいで。けど、それが嫌なわけじゃなくて。
大きく息を吐いた。
それから、薬のせいだろうか、身体がかあっと熱くなる。
「ん……」
恥ずかしくなって、口を閉じる。熱いお風呂に入った時みたいに、身体の中がじんわり溶けてるような感覚が気持ちいい。
お腹の方に目を向けると、なんだか妙なオレンジの光沢を帯びてる。豆電球の淡い光をツヤツヤ反射する、明らかに皮膚とは別のものに変わってきてた。それが、お腹のあたりから、じわじわと、紙が水を吸い上げるみたいに、全身に広がってく。
結んだ口の端から、息が漏れる。熱い。だんだん、身体が動かなくなってくる。それなのに、またがってる彼の暖かさは消えない。少し怖い。心配そうな顔してる彼が前にいる。大丈夫、と唇を動かした。声は出せなかった。オレンジ色が、痺れる熱さが、胸から上に登ってくる。視界が、曇りガラスを通してるようにぼやける。頭のてっぺんまで変わっちゃったんだと、そう分かった。
次に、身体が震えだした。わたしの意思とは関係なく、ぶるぶると。元の身体だったら、きっと驚き、声をあげてしまっただろう。視界を奪われて、身体が勝手に動いて。いったい、なんだ。
手足が付け根に向かって、ぎゅうっと縮んで、圧し潰される感覚があった。痛くはないけど、足の甲が太ももにひっついたりするのは、変な感じ。
曇った目に映るマスターの影が、だんだん大きくなってく。初めは何が起こってるのか分からなかったけど、少しして、わたしがちいさくなってってるんだと理解した。
なんとなくおまたのあたりが引っ張られる感じがして、こんどはなんだとそわそわしてた。そうしたら突然、えづきあげるような、ひどく乱暴な快感が頭の底をえぐった。何の順序もなく、神経をひっつかまれて、そのまま電流をながされたみたい。
なんだこれ。なんだ、これ。普段大事なとこを覆ってる肉が左右にぱっくり割れて、剥き出しのあそこが冷たい空気に晒されてる。気持ちいいって感じる場所がお腹の底から上がってくる。トンネルを掘るみたいに進んでくるそれは、お臍をこえて、喉を抜け、顔の裏側を通って、頭の中までやってきて、ようやく止まった。押し付けられた電撃のような快感も、止まる。
全身が洞窟になった気分。ひゅうと口を潜った冷たい空気が全身を抜け、股の穴から出ていくのを感じた。

いったい、わたしはどうなっちゃったんだろう。

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目の前にそびえるマスターの影が、やけに大きい。表情は見えない。けれど、『あれ』の時の顔つきを、わたしは思い出していた。何か言ってるけど、もやがかかったようで聞きとれない。
彼の手が、わたしを掴むと乱暴に揉みしだく。指が身体に食い込む。背中、お腹、お尻。胸が親指でころがされて、暴れる。それらが、飛び上がってしまいそうなくらい気持ちよくて。だんだん、全身がおまたになっちゃったみたいに切なくなってくる。
ぐちゅ、ぐちゅ、と粘っこい音が近くで聞こえる。音の出所は自分の中だと、少しして気がついた。彼がわたしをぎゅうっと握り潰して、大事なところがいっぺんに刺激されて、頭の中でぷつぷつ弾けて。掌が開かれると、ゴムみたいに身体の形が元に戻る。
彼の手がぬるぬるしてる。わたしから出た液体だろうか。きっとそうだ。恥ずかしいのと、気持ちいいのと。モノ扱いされるのがひどく倒錯的で、胸の奥がぞくぞくするのとで、興奮する。身体に通ったトンネルから染み出した、粘っこい分泌物が、身体の穴という穴から漏れてく。

彼の、荒い息遣いを感じる。

あまり役に立たない目に、彼の剛直がぼやけて映った。赤黒くて、生臭いそれは、今の身体よりも、はるかに大きくて。あれが、今から、わたしに。考えるだけでくらくらする。
冷静に考えて、入るわけない。どうなっちゃうのか、見当もつかない。ただ、無残なことになるのは目に見えてる。
……けど、それでも。はやく入れてほしいと、文字通りめちゃくちゃにしてほしいと、そう思ってしまうぐらい。わたしは、どうしようもなくなっていた。餌をねだる犬みたいに粘っこい体液をしたたらせながら、打ち込まれるのを心待ちにする、ろくでなし。それが、わたしだ。
やがて、膨れ上がった彼の亀頭が、ひくつく膣口にあてがわれて。それから、ゆっくりと。いやらしい音と一緒に、切なくてはちきれそうな身体が、暴力に犯されていく。お腹の下から、ずぶずぶと、わたしの中に開いたトンネルを押し広げ、埋めながら。開いたままの口から、押し込まれた空気が抜けてく。彼のとわたしのとが混ざったむせかえるにおいが、鼻をついた。
胸から喉を抜け、顔の裏側を通って頭のてっぺんまで、彼の陰茎が、わたしをいっぱいにする。こんなことになってるのに、多幸感が溢れて仕方ない。モノになった身体に伝わってくる体温が、心地よくて、嬉しくて。
彼の声が落ちてくる。何を言っているのかは聞き取れなかったけど。その言葉を合図にしたようだった。わたしを掴んでた手に力がこもって、ぐいと、根元の方に引っ張った。
さっきは縮められたけど、今度は逆だ。伸ばされる。彼の怒張のかたちにそって。頭の奥で、ずちりと鈍い音が響く。叫んでしまいそうになる。殴られたみたい。まぶたの裏で、星がとんでる。ふと、初めて潰されたときのことを思い出した。こわれてしまうんじゃないかと思うほどダメにされた、『あれ』。
彼の手が、引きしぼるようにして、握り締めたわたしを茎の先っぽに持っていく。それからまた、根元まで伸ばし、叩きつける。再度襲い来る絶頂に、頭の中で悲鳴をあげる。彼のに全身が絡み付いて、熱くて、爛れてどろどろに溶かされてるみたいで。こんなのが、あと、何回も、続くのか。縮むときに、雁首が身体中のでこぼこを引っ掻き回す。身悶えすることも出来ない。すぐ、叩きつけられる。意識が飛びそうになる。彼の呻く声が、遠い。頭のてっぺんとさきっぽがくっついて、離れて。口から、泡立った体液が漏れる。わたしを抱く指が、張って破裂しそうなの胸を、ぷっくり勃起した乳首をこねくり回す。縮む。叩きつけられる。叩きつけられる。何度も、何度も、繰り返される。耐えきれずに意識が飛んでも、また次の衝撃で無理やり起こされる。あたまが、ばかになってしまう。くるってしまう。しごくスピードはどんどん上がっていって、わたしはずっとイきっぱなしで。考えることもろくにできないで。
どれだけ経ったのか、さっぱりわからないけど、彼のが、びくりと大きく震えた。わたしは、ぎゅうっといっぱいまで伸ばされる。びく、びく、と震えは続いて、熱いものが、頭の中に叩きつけられる。前後も左右も、上下もわからなくなるほどめちゃくちゃにされたわたしの中に、精液が。溜まっていたのか、すごい量のそれが、男の臭いを撒き散らして。ぽっかり開いたわたしの口から、収まり切らなかった分がごぽりと溢れて、よだれのように糸をひく。まだ張り詰めた陰芯が、わたしから抜けていく。それに、わたしの中身が名残惜しそうに吸い付いて、最後まで搾り取って。そして、結合は外れる。終わったんだ。

抜き取られたというのに、私の身体はまだ伸びている気がする。だとしたら、彼のかたちぴったりになってしまったのだろうか。モノとして扱われたなら、いまのわたしは、使用済み、と称されるのだろうか。頭の中に溜まったどろどろの精液が揺れてる。精液袋、なんて、ぴったりかもしれない。行為の余韻に浸りながら、わたしはそんなことを思い、また、ぞくぞくする。

だんだん、意識がはっきりとしてくる。霞がかかったような目も、耳も。だんだん、はっきりと輪郭をとらえるようになってきた。

あぁ……終わっちゃったのか。改めて、そう思った。



「こっ、これは……」

彼女の日記を前にして、私は愕然としていた。グミちゃんの家に遊びに来たはいいけど、お茶を作りますからと三十分ぐらい放置されて、あまりに暇だったもんだから、机の上に放置された日記に手をつけてみて。
結果、また、知ってはいけないことを知ってしまった気がする。

「と、ともかく。これは見なかったことに」
「人の日記を覗いた気分はどうですか、ミクさん?」

背筋が凍る。
恐る恐る振り返ると、笑顔のグミちゃんが立ってる。そう、持ち前の、花がさいたような明るい笑顔を、いっぱいに湛えた彼女が。いつか、見た時と同じ不気味さを纏って。

「いや、違うの、これは……その……度し難くて……」
「いや、いいんですよ、ミクさん。怒ってませんから。むしろ、わたしは嬉しいくらいなんですよ。日記を覗く、なんて深い仲じゃないと出来ないと思いません?」
「そ、そう! その通り! だから、ごめ」
「そんなミクさんに、頼みごとがあるんですよ」

私の謝罪を遮って続ける彼女の表情は、鋼のようにぴくりともしない。不味い。これは、このままいくと、また大変な目に遭う。具体的には、この前錠剤を飲まされた時と同じぐらい、酷い目に。
何でもいい、この場を取り繕って、切り抜けないと、またトラウマが増えてしまう。そう考え、必死に周りを見て。グミちゃんが、お茶を持ってる事に着目する。
「あ、あぁ、なんだか喉が渇いたなぁ! ああそうだ、せっかく入れてくれたんだから、そのお茶を頂こうかな!」
そう言ってひったくり、飲み干す。褒めちぎって、感想を言って、そこから話を逸らして、頃合いを見て脱出する。これだ……!

「飲みましたね」
「えっ」

「……溶けるまで少し時間がかかっちゃうんですよ、お薬。その間に、きっと先輩なら日記を読んでくれると思ってましたし、そうすれば言うことを聞いてくれるかなぁ、と。警戒して飲んでくれないと思ったんですけど」
嬉しい誤算でした、とグミちゃんが首を傾けた。へなへなと、力が抜けた私は床にへたり込む。嬉しそうにする彼女に、震える声で尋ねる。

「……わ、わたしは、どうなるの?」

「忘れられない思い出が一つ増える、かもしれませんね」

いつの間にか彼女の手には、冒涜的な玩具が握られていた。きっと、とグミちゃんは続ける。

「前にあんなことした次の日に、もう一回せがんできたミクさんみたいな人でも、きっと満足出来ると思いますよ」

おしまい。
  1. 2015/10/16(金) 15:02:37|
  2. 物品化
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