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バケツと状態変化

はちみつ圧搾

じょーすけさんが一年ほど前にツイッタで呟いてたのをコトコト煮込んでみました。
【膨体 R-18G】

かんなは雑木林の中を走っていた。突き出した木の枝がほほを引っ掻いて、赤い傷になる。方々に生えた草々が服に絡まり、鬱陶しいことこの上なかった。顔をしかめて、息つぎをするように空を仰ぐ。木々の隙間から見えた月は欠けていて、自分のことを笑っているかのように思えた。

「逃げなきゃ」

呟くと、身体から汗が噴き出してくる。逃げなきゃ、逃げなくては、逃げないと。その先に続く言葉を、かんなは想像したくなかった。胸の中で、不安と焦燥が風船のように膨らんでゆく。足を止めてしまえば、それらに押し潰されて、へたりこんで、もう二度と走ることができない気がした。

あそこへ行ってみよう、なんて先に言い出したのはふみの方だった。雑木林の奥にある、ずいぶんと昔に営業苦で放り出されてしまっていた、はちみつ農園の跡地。小屋があって、ハチの巣からはちみつを取り出す機械がある、それだけの場所。なんで、二人きりでそんな所へ行こうとしたのか。ふみの考えていたこともわからなければ、その時の自分が頷いた理由も、覚えていない。


落ちていた木の枝を踏みつける。ばきりと大きな音がした。もうどれほど走ったのだろう。ふと考える。視界も足元も悪い。これだけ疲れたのに、ちっとも進んでいないように思えた。そのくせ、追ってくるものの気配は背中にべったりとはりついて、振り返ることさえ躊躇われた。遠くの方で、ふみの声が聞こえたような気がした。足は止めない。


あの時、はちみつ農園の隅っこにあった小屋を開いた時に、わたしとふみは、見てしまった。その見てしまったものの、側にいたものと目があった瞬間に『見てしまった』のだと分かった。
ふみは、逃げ遅れて、捕まって、そして暗がりに引きずられていった。かんなは彼女の、たすけて、と叫ぶ声に応じなかった。振り返ることすらしなかった。

怖かった。


徐々に、けれども確かに、かんなの身体は失速する。苦しい。足が動かない。ひゅうひゅう喉が鳴いて、浅い呼吸しか続かない。限界だった。走らなければ。そうは思っても、身体が言うことをきかない。雑木林は、まだまだ先に続いている。中間地点で力尽きるマラソンランナーの気分がよく分かった。自分のすぐ後ろにそれはいるんじゃないかと勘ぐり、気持ちばかりはやってゆく。逃げないと。動いてよ、身体。

前につんのめる。剥き出しになっていた木の根っこに足を取られた。そう理解したのは半身を地面に打ち付けた後だった。鈍い痛みが身体に響く。悪態をつく元気もない。疲弊した身体は重く、上手に立ち上がることができない。

両の足首に、ひんやりとした感触があった。掴まれたのかと、心臓が跳ね上がる。事実、その通りだった。

「あ……」

身体が宙に浮く。逆さ吊りに持ち上げられて、抵抗ができない。きれぎれの息から、小さなうめき声が溢れた。助けて、と続けたかったが、口が動かなかった。これだけ必死に逃げてきたのに、そいつは全く疲れた様子を見せない。これは、化物の類に違いない。そんなことを思って、かんなは顔を青くした。

これから自分は、どうなるのか。どうされるのか。先ほど見てしまったもの、その姿。それと、暗がりに引きずり込まれていったふみの姿が、脳裏をよぎった。掴まれている足首が、氷づけにされたように冷たい。




逆さ吊りのまま小屋に連れてこられると、かんなたちが先ほど覗いた部屋とは別の、甘ったるい匂いの充満する、薄暗い密室に入れられた。広さはなく、壁の穴に挿し込まれた一本のロウソクが唯一の灯りだった。天井から筒状の手枷がぶら下がっている。
ふみは、そこにいた。よく見ると床にも拘束具があるようで、大の字の姿に四肢を開かされて宙に浮かんでいる。服は剥ぎ取られたのか、彼女は日に焼けた褐色の肌を晒していた。

かんなは逆さ吊りのまま、上から吊るされた。股を大きく開かされて、手も同様に引っ張られて固定された。ちょうど干の字になるような、そんなかたちだ。
先ほどからずっと天地さかさまにいるために、頭に血がのぼってくらくらする。若干苦しい。呻く。「ざ、ざまあみてよ」ふみの言葉が自分に向けられたものだと気付くのに、少し時間がかかった。言い返す気力も、言葉も無かった。

服を剥ぎ取られる。自分が漫画の世界に迷い込んでしまったような、そんな倒錯感があった。つまり、かんなには現実感が無かった。頭に血がのぼってぼんやりしているせいなのか、唯の現実逃避か、一糸纏わぬ姿になり、ひんやりとした部屋の空気に晒されても、どこか本当のことのようには思えない。

自分はどうなってしまうんだろう。本来隠さなければならない、胸や陰部を晒すように広げた体勢は、ひどく恥ずかしい。親にだって見せたことがないようなところを、こんな。かろうじて動く身体を揺らすと、金属の擦れた、鳴き声のような音がした。口の周りに浮かんだ汗がしょっぱい。

陰部……それもうしろの穴、の方にぬるりとした物があてがわれた。妙にねっとりとしている。そう思った次の瞬間には、それはかんなの中に入ってきていた。

「あぅ……っ!」

背骨を、きんきんに冷やされた鉄芯で貫かれたような感覚だった。自分の肉が押し広げられて、それで入ってきたものの形が分かる。親指ほどの太さの、無機質で、円柱状のものだ。ぬるぬるしているのは表面だけで、固く、寒冽としている。それが、自分の肉壁を圧迫しつつ、ぴりぴりと裂くように奥へと進んでくる。必死に抵抗して、息を止めてひり出そうと力んでも、冷たい感触は自分の奥へと進んできて。そして突然、その進行方向が変わる。かんなの中に入る向きから、出る向きへと。

「おぐっ……!」

力を入れていたのも相まって、勢いよく後退していく。肛門がめくれあがる。それをぬるぬると擦って、異物はかんなの中から、数秒かけて飛び出していった。

かんなは、苦痛ではないその刺激に戸惑っていた。固く閉じていたまぶたの裏が白くなって、ちかちかした。生理的な排泄で得たことのない、深く、鈍く、おへその下のあたりから股間の出口までじんじんとする感覚。これは、何なのか。

かんながその疑問の答えを見つけるよりも先に、再び異物が体内に進入してくる。ゆっくりと、しかし今度は先ほどよりも浅い。そして人差し指ほど進んだところで、勢いよく後退してかんなの中から出ていく。
繰り返す。何度も。何度も、何度も。

「あ、う、うぁ」

喉の奥から息が吐き出されて声になる。引き抜かれるたびにお尻の中があつく、回数を重ねるにつれて徐々にもどかしくなってくる。初めこそ拒んでいた自分の腸壁もほぐれて、柔らかく挿入物を受け止めるようになってきた。

「か、かんなぁ……!」

ふみの声が、遠い。いつの間にか、かんなを貫く棒の動きは激しく、深いものになっていた。ぐちゅぐちゅという水音が身体の中から溢れてくる。何も刺激を受けていないのに、前の穴……膣が締まって体液が溢れてくる。表皮の内側で、肉芽が弾けてしまいそうなほど勃起をしているのが自分でもわかった。

二度目の小休止がやってきた時、かんなの身体はすっかり敏感に茹で上がっていた。後ろの穴はぽっかり開いて、それを囲う菊門は紅色に染まっている。弄られてすらいない陰唇は濡れそぼっていて、前後揃ってよだれをたらすように糸を引いている。ろうそくの暖かい光を受けて、表皮からはみだした陰核がぬらぬらと光る。
あがった息を落ち着かせる余裕がない。この部屋に入った時に感じた甘い匂いに、うっすらと生々しい雌の、自分の身体の臭いが混ざっていることに気がついた。

部屋の空気にあてられて、開いたままの口がさみそうにひくつく。はやく、はやくそこを埋めてほしい。自分でそう思うことに違和感を抱かないほどにまで、かんなはできあがっていた。

かんなの期待に応えるように、棒が肉を掻き分け、中へと挿入される。うわずった声はもはや、快感の色をあらわにしていた。自分がどんどんと高みにのぼっていく。股のあたりから、何かがこみ上げてくる。そんなのお構いなしに、その棒はピストン運動を続けながら、自分の奥にまで入ってくる。

情喜の感情は風船のように膨らんでいき、やがて、針で刺したように破裂する。

「やぁ、だ、だめぇ……やあぁっ!」

身体が固く縮こまり、びくびくと震える。目の前が白に染まり、眩しくて、何も見えなくなる。

同時に、お腹の中で暖かいものを感じ取る。お尻から刺さった棒からそれは出ているのだとわかった。

どくどくと、それは重たい質感と量をもって自分の中に放出されていく。はじめは、出された、とだけしか思わなかった。それがやがて、いつこれは止まるのだろう、という思いに変わっていく。身体の力がだらりと抜けて、絶頂の余韻を残すだけになっても、その放出は止まらない。それどころか、勢いを増してきているように思えた。

身体が、重い。トんでしまった疲労感もあるが、それよりも下腹部がずっしりと重さを増してきている。顎を引いて見てみると、ぷっくりとお腹が膨らんできていた。お尻の中に吐き出されているものは、まだ止まる気配を見せない。

お腹の皮が張っている。腸が液体で満たされてしまったような気がする。いや、実際に満たされてしまったのか。下腹部の膨らみは、見てわかるほどのはやさで上半身の方へ広がっていく。胸の下辺りまでぷっくり膨らんできた時、かんなは猛烈な吐き気に襲われた。喉の奥が熱い。そして、それはこみ上げてくる。
反射的に頬を膨らませて我慢しようとしたが、無駄だった。濁った音とともに、喉から遡ってきたものを床にぶちまける。

甘い。

あがった息、込み上がる涙。その中で、かんなは口の中がひどくねばついて、そして甘ったるくなっていることに気がついた。そして、そのどこかで舐めたことのある味はおそらく……ハチミツなのだろうと、少しして理解した。

ハチミツなんてここ最近食べてない。それなのに、自分のお腹の中から出てくる。ところで、今もかんなの中に液体を吐き出している、お尻のパイプ。ひょっとしてあれはハチミツを。

「う、ぷ……!」

再びこみ上げてきて、すぐに吐き出す。自分の肛門から、口まで、ハチミツが貫通したのだ。甘い口内に喘ぎながら、ぼんやりと思った。身体がホースになったみたいだ。

喘ぐかんなに口枷が取り付けられる。口を塞いでしまう類のものだった。

それから、鈍い痛みと共に、鼻に管を通される。口枷に塞がれた口からは呼吸ができず、そのために鼻の方で必死に空気を吸い込む。目がちかちかして、視界がかすれる。水に沈められたような苦しさがあった。

口枷で固く閉ざされたかんなの口の中は、ハチミツで満たされていた。どころか、喉も、胃も、腸も関係ないパイプのように。口からお尻の中まで、文字通りお腹いっぱいにハチミツを貯められた、言うならば肉風船。かんなの胴は骨も肉も関係なしに際限なく膨れ上がっていくように思える。その一方で、四肢は元の形を保っている。

「かんな、ねぇ、かんなぁ……」

ぶくぶくと、もとの形など想像もつかないほどに、かんなの身体は膨らんでいく。惰球と言っても差し支えがないほどになったとき、彼女の身体ははち切れそうなほどに伸びていて、中に満ちたハチミツの色がうっすら透けて見えるほどにまでなっていた。かんながびくりと身震いすると、泡が浮き上がっていく。水……ハチミツ風船にされたかんなは、自分の身体が今どうなっているのかが分からない。ただ、お腹が苦しいのと、口の中が甘いのとで精一杯だ。彼女の肌を伝う脂汗も、いつの間にかどろりと粘性の高いものに変わっていた。

「んぅ……」

口枷の隙間から呻き声が漏れた。頬袋もぷっくり膨れて、はちきれそうなのが見てとれた。かんなが身震いをすると、中の液体がどぷんと重たい音を立てて波打った。四肢は膨らんだ胴に埋まってしまっていた。今のかんなは、ぶよぶよした大きな球から手首、足首、頭が飛び出している、そんな無様な姿だった。

かんなの肛門——ゴムボールの空気穴のようになってしまったそこから、棒が抜かれる。ろうそくの灯を反射して、飴色の粘ついた糸が橙に瞬いた。そして、開きっぱなしの穴に、鉄の錘状の栓が埋められた。膨らんだかんなの肌が、ぶよぶよと波打った。


かんなが人から不恰好な風船になる、その一部始終を見ていたふみは、言葉を失っていた。それから、怪物がその棒を、先ほどまでかんなに突き立てられていた棒を持って、彼女に向きなおったとき、ふみは次は自分の番だと理解してしまった。

縛られたまま身体をがたがた震わせて、失禁する。垂れ流す涙や尿がはちみつに変わるまで、それほど時間はかからなかった。




身体の中ぱんぱんにはちみつを詰め込まれた二人は、暗闇の中吊るされ、放置された。何日か、何週間か、何ヶ月か、それとも一晩だったのか。どれくらい時間が経ったのか、彼女たちには分からなかった。

甘ったるい臭いと呻き声の満ちた部屋で、意識を手放すことさえできないで、ただただ天井からぶら下がっていた。

何も考えられなくなってしばらくしてから、ぎい、と扉が軋んで、化け物が再び二人の前に姿を見せた。
解放されるのか、とかんなはぼんやり思った。それとも、何かまだあるのか。思考を巡らせることができなくなっていた。もう、どうでもよかった。


「ぁぇ……」

かんなとふみは、口枷と栓を抜かれて、狭い鉄の筒の中に押し込まれた。お互いの肌が密着して押し合いへし合い、筒の壁に沿って身体の形が変形する。久しぶりに自由になった口元から漏れるのは言葉ではなく、小さな呻き声とはちみつだった。

筒の隙間から、化け物が筒の横に置いてあったハンドルを回すのが、かんなには見えた。同時に上の方から圧力がかかってきて、今から自分とふみは押し潰されるのだと悟った。

ぎゅうっと押されて身体の中身が開いた穴に、口とおしりに殺到する。漏れる、というより噴き出る、というようだった。果汁を絞り取られる果物のように、はちみつが二人からあふれ、筒の底へ溜まっていく。

二人は、口から肛門まで、水を流されて、強く擦られているような感覚を受けた。気持ち悪さと同時に、強烈な気持ち良さ、快感が襲ってきた。目の前が真っ白になって、じゅわじゅわと思考が溶ける。同時に、自分の中身が抜けていくような——事実、抜けているのだが——錯覚を覚えた。感覚も、感情も、記憶も、そういう自分の中の大切なものが、はちみつと一緒に全部絞り出されていく。全て吐き出しながら、快感に溺れる。

潰れることに、自分が自分でなくなることに、何も思わない。ただ、目の前の快感に耐えることで精一杯だった。

ふと、かんなは潰された自分と液体となった自分の二人がいることに気がついた。身体から溶け落ちた意識が、はちみつになって流れたのだろう。

かんなから溢れたはちみつと、ふみから溢れたはちみつが、筒の底で混ざる。意識がどろどろになって混ざる。


やがて搾りかすになったかんなとふみは、筒から引っ張り出されると小屋に打ち捨てられるだろう。けれどもそこに彼女たちはいなく、絞り出されたはちみつの方に意識がある。
はちみつは、きっと怪物の腹に収まる。どろりとした液体となった二人は、それを為すすべなく受け止めることしかできない。

そんな未来像が、どちらのものとも分からない意識の中で浮かび上がった。


  1. 2016/08/17(水) 05:19:16|
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