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バケツと状態変化

帽子

【丸呑み/排泄(?)】

◆ ◆ ◆
道端に、帽子が落ちていた。釣鐘型……いわゆるクロッシェというタイプの帽子で、涼しげな白。夏の日差しを受けて、眩しく輝いていた。

今年の夏は例年よりも酷い暑さが続き、アスファルトで舗装された道路などもう、耐え難いほどの熱気を放っていた。もともとそこまで人通りの多い道路で無いこともあいまって、休日の真昼間だというのに閑散としており、蝉の鳴き声だけが響く。

と、向こうから人影が一つ、やってくる。

「あっつう……」

白と濃紺の制服。首元に巻かれた赤いスカーフ。女子高生だ。学年の中でも比べて大きめの胸を揺らし、ぱっちりとした目を暑さに細め。道をてくてく歩いてくる。
手に持っている、小さな黒い鞄。うっすら濡れた、外ハネ気味のボブカット。彼女は水泳部の午前練習から帰宅するところだった。水をかき、進む為に鍛えられた身体はしなやかでひきしまっていて。年齢の割りに大胆なくびれと絶妙な雰囲気を醸し出していた。

「なんでユズは掃除なのよ……大会前ってのに、遅刻なんてするから……」

友人の不在を愚痴りながら、足を進める。一緒に帰る人がいないだけで、暑さは倍にも、三倍にもなるように感じた。しっとりとした黒髪に太陽の光が吸い込まれて、熱くなる。やってられない。

「……ん?」

と、道端に落ちていた帽子に気がつく。うだるような熱気にあてられていた彼女には、それがとても魅力的に見えた。
辺りを見回して、誰も見ていないか確認。それから、素早く拾い上げた。
道に落ちていたから、汚いんじゃ。手にとってから俄かにそう思って、確認してみる。ところが、帽子は眩しいほどの白で、どこにも汚れなんてなく。新品同様に、彼女には見えた。

こうなれば、もう躊躇しなかった。この暑さが、少しでもマシになるなら。帽子を、かぶる。


彼女が、それに頭を押し込んだ瞬間だった。帽子のつばが、伸びた。下に。それも、地面に届くほど。それから彼女を包み込む形で、ぴっちり口が閉じた。
悲鳴を上げる間すらなかった。突如暗闇に閉じ込められたこと、予想だにしなかったことに、彼女は愕然とする。外から見ると、蛇に丸呑みにされた様だ。
もがく。ぶよりと、帽子にあるまじき弾力が返ってくる。肉壁みたいだ。いや、実際にそうなのか。熱を持って、柔軟で、ヌメヌメしている、壁。必死に腕を突っ張ったりしてみても、壁が伸びるだけで手応えが全然無い。

道の端で、じたばた動く、細長い、白の袋が立っている。人が通る気配は全くなく、少女が呑み込まれてからも、あたりは静かなままだ。

激しかった袋の動きも、数十秒を境にピタリと止まる。かわりに、呑み込まれている少女の身体ラインが、その袋の表面にくっきりと浮かびあがる。中で、きつく拘束されているのだろうか。小さく、耳を澄ましてようやく聴こえる程に、押し潰されたような呻き声も聴こえる。

やがて、浮き出ている彼女の影が、袋の膨らみが、無くなり始める。蠕動するようにそれが動くたびに、だんだんと凸が扁平になってゆくのだ。中でぎゅうぎゅうに押し潰しているのだろう。歪な袋の曲線が、ソーセージのごとく滑らかになってゆく。動くことのできないまま、中で少女は蹂躙されているのが分かる。

ぱさり、と、吐き出されたのは、彼女の着ていた服が、白と紺色の制服が、赤のスカーフが、白のブラが、そしてそれらの上に白のパンツが、袋から地に落ちる。どれもねっとりとした体液でぬらぬらしており、漏らしたのだろう、パンツのクロッチ部分には大きな黄色いシミが張り付いていた。
既に、袋の膨らみは、すっかり無くなっていた。初めに落ちていた帽子と同じぐらいの直径の、縦に長い円筒形。もう、ピクリとも動かない。

それから数秒して、するすると袋が縮み始める。少女の身長ほどあったそれは、丈をどんどん短くし、50、30cm……ついには、もとの帽子のサイズにまで戻るのだった。中に、人などいなかったかのように。結局、脱ぎ散らかされた制服の上に、帽子が乗っかっている、という形になった。

果たして少女はどこに消えたのか。

風も無いのに、ふわりと帽子は飛んで、どこかにゆく。

結論から述べれば、そこに少女はいた。否、少女だったものは、あった。
ぐしゃぐしゃに潰れて、元の原型をとどめていない胴体。そこに、紐のように曲がりくねった手足が張り付いて。それらの上に、怯えた顔が、開かれた目が、半開きの口が、胴体にひっついているように生えていて。そして、焦げた茶色一色に染め上げられていた。

そこには、焦げた茶色で、ずんぐりとした歪な棒が。悪臭を散らす、くそがあった。

呑み込まれた少女の、なれの果てである。

わずか、十分足らず。その間に少女は呑み込まれ、吸い取られ、圧縮され、排泄され、くそへと変わった。しなやかな身体も、成熟気味な胸も、くびれも。ひび割れ、微妙に湿り気を帯びたそれへ。部活に燃やしていた情熱も、友情も、性格もすべてぎゅうぎゅうに圧縮されて、塊に。得体の知れない物体に呑み込まれ、ひねり出されて、排泄物に成り果てた。くそに彫り込まれた彼女の顔は、眼は、ただただ底抜けに明るい夏の陽を見つめ続ける。

脱ぎ散らかされた制服の上に、失禁の黄色い跡が殘るパンツの上に乗っかっているのは、それらの持ち主、少女だったものだ。路上のアスファルトの上で散らかされたそれは、ひどく倒錯的な光景だった。

もしも人が通りすがったなら、犬の糞だと思うだろう。ただそれだけの存在に、彼女はなったのだ。

……しばらくすると、くそが乗っかっていた制服やパンツは、跡形もなく消えた。残っていた消化液の作用だろうか。そこに残るのは、アンモニアの臭いと、硫黄の臭さだけ。夏の日差しにあてられて、路傍のくそも、ぱさぱさに乾いてきた。



「あぁー……。やっと掃除が終わった……」

陽炎の中をフラフラと歩く、少女が一人。汗をアスファルトに垂らし、引きずられるように進む。ふと、思い出したようにスマホをポケットから取り出し、アプリを起動する。

「帰っちゃったユキに、ラインしなきゃ……」

疲労と、携帯電話の画面をみているのとで、前をろくに見ていない。靴を通して足に嫌な感触が伝わってくるまで、落ちていたモノに気がつかなかった。

ぐしゃり。

「……げ。うんち踏んじゃった……。やっぱり今日はついてないなぁ……」

靴にこびりついたそれを落とすように、地面に足をすりつけながら。友人の残骸を、アスファルトに広げながら。彼女は道を進んで行った。

「……にしても、あっついなぁ。どこかに北極落ちてないかな……。……ん?」

ふと、彼女は、茂みに帽子が引っかかっていることに気が付いた。

  1. 2014/10/18(土) 02:53:24|
  2. 被食・スカトロ系
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

帽子の復活ありがとうございます!、帽子は自分には一番好きな作品です、特に巨乳の女子高生が身体中の栄養を吸い取られて消化されて排泄物になるところがお気に入りでした、もっとスカトロ作品が増えて欲しい物です!
  1. URL |
  2. 2015/07/14(火) 14:16:48 |
  3. 名無しさん #-
  4. [ 編集 ]

>名無しさん
おっぱい大きい子いいですよね、人物の特徴は僕の文章はあんまり書いてないんで好きに想像しちゃってくれるとうれしいです(顔だちだったり身体つきだったり、好きなように)。
これからもこういうのちびちび書いていきたいですので、よろしくお願いしますー。
  1. URL |
  2. 2015/07/15(水) 01:40:02 |
  3. かんやん #-
  4. [ 編集 ]

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