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バケツと状態変化

かたち

【平面化】

「ほら、どうして欲しいのか言ってごらんなさい」
「ふ、踏んで下さいっ!お願いします!」
「よくできました」

「あっやっ……あああっ!」

* * *
最近飽きてきた、と小秋(コアキ)が口にした時はどきりとした。最近、マンネリを感じているのは、彼女とて同じだったのだ。竿が無いのはでかい。竿だけに。
「うまいこと言ったつもりかもしれないのですけれど、何もかかってないですし」
……うるさいなぁ。下ネタのギャグに冷静にツッコまれると恥ずかしくて仕方ない。
「突っ込むと?それならまだわからないでもありません」
小秋のちゃちは無視することに決める。なんか顔が熱くなってきた気もする。
……とにかく!双頭ディルドにまで手を出した私達にそこまでハンディがあるとは思えないけど、なんというか、その。
「夏紀(ナツキ)も欲求不満ではありませんか?いや、貴女は絶倫で底無し故、あてにはなりませんが」
そう言いながら、小秋は肩にかかっていた栗色の髪をふわりとかき上げた。さらっと酷いことを言われた気がする。
「それに。私も何か変化が欲しいのですよ。責めるのも、だいたいの道具は使ってしまいましたし、愛し尽くしてしまった感じはするのですよ」
おかげさまでスイッチが入ると全身性感帯になります本当にありがとうございました。
「最近なんか、どこを弄っても同じ反応ばかりで――気持ち良さそうに喘ぐばかりで、新鮮みにかけているのですよ」
「じゃあ小秋がネコ(受け)を」
「お断りします」
最後まで言わせてくれたっていいじゃないか、もう。
……過去に一回だけ、私が小秋を責めた事がある。顔を真っ赤にしたり声を我慢したりと、初々しい反応で、可愛くて可愛くて。そういう事を言ったら。いつの間にか立場が逆転して、何時も通り私がネコになっていた。なんでだろうか。『飼い主の手を噛む犬には厳しい躾(しつけ)が必要ですね』って言われて、普段よりいじめられた事を覚えてる。
「私があなたよろしく『踏んでください』だったり『めちゃくちゃにして』などと頼むなど、残念ですが想像できません」

……オネダリするのって、結構恥ずかしいんだよ?終わった後『私なに言っちゃってんだろう』って毎回思ってるし。いや、最中は夢中だからいいんだけどさ。時々思い出すと死にたくなる。それさえ無ければ万々歳なんだけどなぁ……。
「私の覚えてます中で一番凄かったのは、『お尻の穴が疼いて仕方ないんですぅ!早く、ぐちゃぐちゃして下さいぃ』と」
「やめて。お願い」
変な事を言われたから意識してしまい、お尻の穴がすーすーするような感じが。……今日はこっちをお願いしようかな。浣腸はお腹が痛くなるからあんまり好きじゃないけど。
「さて、話を戻します。私たちの交わりは、マンネリ気味です。ほとんど試してみてしまいましたし」
「ふむ」
「――ところが、まだ試したことの無いプレイが見つかったのですよ」
小秋がニヤリと笑う。若干Sが入ってる……ということは、私をいじめる新しいプレイだ。……背中がぞくぞくした。期待と、不安で。恐る恐る、小秋に聞いてみる。
「ど、どんなプレイなの!」
「がっつき過ぎですよ……ふふ。でも、教えてあげません。直前までオアズケです」
そ、そんなぁ!

* * *
場面は代わり、小秋の家。両親はどちらも海外赴任だから、事実上私と小秋の愛の巣と化してしまっている。もし、親に知られたら…………精神衛生上よろしくないので、それについて考えるのは止めている。その時はその時だ。
そして、ここは小秋の部屋。通販で買ったらしい、身長を測るやつみたいな機械が置いてあった。2日前は無かったのに。

「まずは服を脱ぎます」
「ほうほう」

私は小秋に言われるがままに服を脱ぐ。

「下着もです」
「はいはーい」
「……もうちょっと恥じらいってもんを」
「だってそういうプレイは飽きちゃったもん」
「まったく……」

ブラとショーツを脱いで、畳んで。あっという間に、裸の私と服を着た小秋のイケナイ場面の出来上がりだ。言われた通り、恥じらいを意識して胸と股を手で隠してみる。少しは雰囲気が出てるだろうか。

「いつ見ても可哀想な胸ですね……」

ぶち壊しである。

「私のを分けてあげたいぐらいですよ……本当に可哀想です。夏紀さんの胸」
「……それで、ここからどうしたらいいの」
「あっ、はい。夏紀さんの可哀想な胸に涙している場合じゃないですね」
……耐えろ。耐えるんだ私。胸が無い奴らが迫害されるのは今に始まった話じゃないだろ……!
「私なんかまた新しいのを買わなきゃいけなくなって」
殴りかかる。

「あっ!ごめんなさい、ごめんなさい!今からやるのは、胸が無い方がうまくいくらしいですから!」
「……それで、どうしたらいいの」
自分でもちょろいと思う。小秋もきっと心の中で舌を出してる事だろう。
「はい、そこの身長計みたいなのの上に乗っかって下さい!」
「……ちっちゃいたらいみたいになってるけど、中に入ればいいの?」
「はい、そうです!」
おずおずとそのたらいの上に立つ。大きめのホットケーキぐらいの大きさだけど……この立つ所には何の意味があるんだろう。
「それじゃあ、身長を測るみたいに背中をぴっと伸ばして、後ろの柱にくっついて下さい!」
黙って小秋の指図に従う。ひんやりした金属の感触に少し戸惑ったけど、どうってこと無い。
「そんな感じです!それじゃあ、上を見て下さい!」
見上げると、黒い円盤が吊り下げられている。身長を測る時に下ろす、あれみたいだ。……身長でも測るのだろうか。それにしては、変なつくりだし、上を向くのもおかしいし。
「はい、そのまま円盤の中心を見ててくださいね。それじゃあ、深呼吸です。吸ってー」

吸って。

「吐いてー……はいっ!!」

吐き終えた瞬間、小秋が叫んで。同時に私の上で止まっていた円盤が落ちてきた。それも、もの凄い勢いで。
「へみゅっ!?」
突然の事でぴくりとも動けず、そのまま顔から潰されていく。感覚が追い付いたのは、ガシャンと円盤が降り切った音が響いてからだった。
顔が、扁平に伸ばされてるのが分かる。いや、顔だけじゃない。全身が、だ。お腹と背中とがひしゃげて、円く、たらいの形にあわせてぺしゃんこになって。ぺたんこになった顔がその上に広がって。下側ではお尻とももが引っ付いてるのが分かった。


って。


えええええ!?
――私の視界を妨げていた円盤がするすると上がっていく。そして、満面の笑みを浮かべた小秋が目に入る。
「うまくいきました!」
うまくいったって……あれ!?声が出ないじゃない!何かで塞がれてるみたいだけど、いったい……。
「あ、口が埋まっちゃってますね。ということは、喋れませんが……まあ、いいですよね」
よくない! 心の中で叫ぶ。
「目を白黒させてる夏紀さんの為に、簡単に説明してあげますね。一昨日、ネットで『平面化』なる物を知ったんですよ」
彼女はそう言って、私にケータイを突き付ける。動画が流れていた。
女の子が立ってる。突然、天井が落ちてくる。天井が上がる。そこには、パンケーキのようにぺしゃんこに潰れた女の子が!
……うん。突っ込みどころが満載だ。それで、これが何だっていうんだろう。
「調べたら『縦平面化』っていうらしくて。さらに調べると、『縦平面化キット』なるものがAmaz〇nで売られているらしくて。これなら私達でも出来るんじゃないか、と思って購入したんですよ」
……もう、だいたい予想がついてしまうのが悲しい。
「それで、今の夏紀さんの姿が、こんな感じです」
ケータイのカメラでぱしゃりとやられて、そのまま見せられる。
……そこには、さっき動画の中で見た少女と似た姿の私がいた。人間を無理やり円盤の中に押し込めたような格好。容器の形に合わせて円くなった身体。それと同心円を描くように広がった顔。口は埋まってしまっている。その隙間から覗く、赤色の乳首。
……こんな酷い姿、あんまりだ!服が無い分だけさっきの子よりも惨めな気がするし……。
「夏紀さんはドMですから、こんなのでも興奮してしまってるんでしょう?」
そ、そんなわけ無いじゃないか!なにが悲しくてこんなパンケーキみたいな姿にされて興奮する……って、裏返すなぁ!
「足もこんなにひしゃげちゃってるのに、割れ目や菊は綺麗なのが素敵ですよ」
顔に血が集まって真っ赤になっていくのが自分でも分かる。身体中がぺちゃんこになってるのに、不思議だ――じゃなくて!感想なんていらないから戻してよ! ……ああもう、シャッター音が聞こえたよ!撮らないでよ、お願いだから!変に意識しちゃうじゃないか!
――突然、小秋が私を持ち上げて。それで、ベッドの方へと運んでいく。
……まさか、こいつ。おっ始める気か?私がこんな姿なのに――いや、こんな姿だからか、って違う!
そんな気分じゃないんだって!ほら、私の目を見て!
「モノ欲しそうな目ですねぇ……」
ちがーう!……あれ?小秋、スイッチ入ってないか?ドSスイッチが。いつも、私をいじめる時に見せる、あの意地の悪い顔。トロンとした目で、口元をひくつかせた笑顔。

ぞくりと、した。


「夏紀さん。今の格好も、とーっても可愛いですよ」
甘ったるい声。胸の辺りがむず痒くなる。あれ。案外悪くないかも……。
――私を掴んでいた小秋の手が、優しく私の後ろを撫でる。
不意打ちに、変な声が出そうになる。我慢しようとして、思い出す。今、口が埋まっているから声を出せないから……つまり、恥ずかしい声を聞かれる心配が無いじゃないか!
大発見だ。これなら、恥ずかしいオネダリをする必要も、終わった後から『何いっちゃってんだろう、私』みたいな虚無感に襲われる心配も無い!
これは、こんな姿になってまでもする価値があるんじゃ……!
「……その気になったみたいですね」
ドンと来いだ!新しいプレイなんだし、楽しんでやる!
「それじゃあ、最初は優しくしてあげますね」

小秋はそう言うと、私をベッドの上にそっと置いた。顔を下に、恥ずかしい方を上にして。
真っ暗な視界。不意に、冷たい物――小秋の指が私の右の太股に当てられる。そのまま指はつつうっと動いていって。
円く潰れた足の周をなぞるように、指は動いていく。ゆっくり、ゆっくりと。私は、目を閉じて後ろの感触に集中すると、瞼(まぶた)の裏にそのラインがぼんやりと浮かんでくる。
やっとの事で、一周。次は、左の太股だ。ただ、さっきとちょっと違うのは、今度は触れるか触れないかの際だって事だ。
むずむずする。ちゃんと触って欲しい。なぞっているのは冷たい指のはずなのに、だんだん熱くなってくる。いつの間にか太股から脱線して、足の裏へと移っていた。
くすぐったいのか、くすぐったくないのか。普段なら耐えきれず動いてしまうのに、今日はそれが出来ない。だからこれでもか、ってぐらいに焦らされる。触って欲しいと私が願うほど、彼女の指は離れていってしまうように思えた。
タチが悪いのは、何分もそこを焦らしたあげく、しっかりと触ってくれずに別の所へ行ってしまう事だった。いつもこうだ。こうやって私の中に眠る快感の種を揺さぶって、少しの衝撃ですぐに芽を出してしまえるよう敏感にしていく。
「……しっとりしてきましたね」

小秋の指が、股とお尻の境の方に移動する。それから、その尻たぶのラインをなぞるように。――秘裂の辺りを通った時に、変な声をあげてしまいそうになる。が、口が埋まっていたので助かった。
……今度は、もっとその近く。かするぐらいの高さで擦られる。また、声を出しそうになるけど、口が埋まっているからうんともすんとも言えない。……触られていない陰核に血が集まっていく。少し固くなったか。
小秋が次に手を着けたのは後ろの孔だった。今日はお世話になるつもりだったから綺麗にしてきた。それを見抜いていたのか、彼女の指に躊躇が無かった。
まず、大外回りをなぞる。指先の冷たさが皺に染み込むようで、また声が出そうになる。出せない。――あれ?
次に、また焦らすように浮かせて――急に指が、増えた。1本から、2本。人差し指に親指が加わって。焦らすのと同時に、触られる。また、声。出せない。――――え、ちょっと!
慈しむように、優しく。2本の指は、私の菊門を愛していく。ほぐれて、ひくついていくのを感じた。次の瞬間、指がその窄まりをきゅっとつねった。――声は、出せなかった。
ち、ちょっと!声が出せないと……!
「ふふふ……声が出なのは辛いですよね?怪我をした時に悲鳴を上げるのは、そっちに力を逃がす為。だから」
ひゃあっ!!
――穴の中に、生暖かい、ぐねぐねした物が……舌だ!弱い所をほぐすようにねぶられ、すぐに引っこ抜かれる。この間、何も出来なかった。声を上げる事さえも。

「イクまではずぅっと、中で快感が燻る羽目になっちゃうんですよ」

そう、小秋が囁いた。

瞬間、私の中で熱湯のようにぐらぐら煮立った快感の波が、際限無く大きくなっていく様を。そして、私がその熱い波に飲まれる瞬間を。想像し、陰部を加熱した。

「今のを聞いて、もっと溢れてくるなんて……夏紀さんは筋金入りのドMですねぇ」
その声は、天使のそれとも悪魔のともつかず。ただただ、彼女は嬉しそうだなと思った。

* * *
5分か10分か。ほんとはもっと短いのか。延々と、後ろの穴を愛され続けた。やがて、指につられて後孔がぽっかりと開く。卑しく腸液が糸を引いていると告げられて羞恥に赤くなるけれど、それよりも彼女の冷たい指で穿って欲しいと考える。
彼女は意地悪く、人差し指でそのひくついた口をなぞるだけに留めて、焦らす。
――ついに、彼女の指が入れられる。待っていたとばかりに私は肛門に力を入れ、その冷たさを啣(くわ)えこんでやろうとする。彼女に笑われるが、構うものか。
瞬間、中で指がくにぃと折れ曲がり私の良い所を刺激する。あっけなく啣えた指を放り出してイこうとするけど、届かない。届きそうなのに、届かない。声すら出させてくれない。
「こんな下品なパンケーキは他にありませんね」
彼女の粘着質な声すら、今はどうでもいい。

ただ、イキたかった。
高い所まで登り過ぎてしまった。怖い。けれども、降りなければ気が狂いそうで。
「……いいですよ、そろそろ果てさせてあげます」
――!
早く、早く!早く私を下ろしてくれ!お尻の穴が、切なくてたまらないんだ!めちゃくちゃにしてくれ――

ぴぃん。

痛いほど勃起していた陰核に、鋭い刺激。

完全に予想外だった。
燻っていた火種が真っ白に燃え上がり、ぺちゃんこの私を焼き尽くす。脳線がプツリと焼き切れてしまいそうだ。壊れてしまうとも思った。股の間から水が噴き出す感覚がある。
――潰れていて、声が出なくてよかったと思った。もし、そうでなかったら。きっと私は乙女にあるまじき浅ましい声を上げていただろうから。

ゆっくりと火が小さくなるように、私も高みから降りて来て。一息つけるぐらいに落ち着いた所で、小秋の声が聞こえた。
「声は出なくても、ビクビク震える事は出来るんですね。……俄然、やる気になってきました」

* * *
ふ、踏んで下さい!お願いします!
あれから20分。また、小秋は私を焦らしてオモチャにしていた。私が震えられる事に気付いてから、彼女の責めは激しさを増していき。そして、その全てが私が果てる直前で止められていた。
今までも、ギリギリまで足でいじめられていたのだが。そろそろ限界だった。それを知ってか、小秋は私に言った。

「ふふ……わかりますよ。もう限界なんでしょう?でも、踏んではあげない」
そんなぁ!あんまりだよ!こんなに辛くて切ないのに。目の前までキてるのに!
「代わりに……」
と、足でひっかけるようにして表向きにひっくり返された。視界が明るくなる。……いつ脱いだんだろう。下半身裸の小秋が、目の前に立っていた。彼女は意地悪な顔を見下ろして、私をぞくぞくさせる。
と、小秋はくるりと私に背を向けて、ドアの方を向く。ほ、放置プレイですかぁ!?そんなの死んじゃう――
――次の瞬間、小秋がこっちに倒れてきて。尻もちをつくような格好で。私に、向かって。
もの凄い勢いなんだろうけど、私にはスローモーションのように見えた。肌色の塊が、小秋のお尻が。さらけ出された局部が、私の目の前に迫って来る。……あ、やばい。
大地震でも起きたかのように馬鹿でかい地鳴りが響く。同時に私の顔に圧力がかかって。小秋のお尻の形に押し広げられる。衝撃で、少しイク。
こ、小秋のあんな所やこんな所が私の目の前にあるはずなのに、見えない!潰されちゃってるから……くそっ!ちょっかいもかけられないし……!
――幸か不幸か、私のすじの位置と小秋のお尻の割れ目が重なっていたからか、とんでもない事にはならなかったけど。中途半端に降りたのが呼び水になって、うずうずする。
やがて、小秋のお尻が浮いて……彼女が立ち上がった。そのついでにと、私はひっ掴まれて彼女の顔の辺りまで持ち上げられる。
私と小秋の目が、合う。するとすぐに小秋は笑って、ベッドの上にあった手鏡を私の目の前に差し出した。

「私のお尻の跡が付いちゃいましたね……どんな気分ですか?」

突き付けられた手鏡には、顔に小秋のお尻の型をつけた私の姿が……!潰された体積の分だけ横に押し広げられてるし。酷く情けない姿だ。しかも、元の形に戻る気配が全く無い。跡が付きっぱなしだ。なにこれ、やばい。すごくどきどきする……!
「弾性力が無いから、延びたら延びっぱなしみたいですね……だったら」
小雪は鏡をベッドの上に放り投げる。そのあと、私を持ってる方の手を大きく振りかぶって……。
いやいや、ちょっと待ってよ。このまま手を振ったら、私が叩きつけられちゃうよね?しかも、大事な所を思いっきり。いや、死んじゃうよね?ねえ?ねえ!
「いきますよぉ!」
待ってえええ――!!

――後で分かったんだけど、ゴムを叩きつけたような音だったみたい。桁違いに大きかったけど。

――この瞬間、うずうずしていた身体に、度を越えた刺激が走って。理性どころか意識さえも吹き飛んでしまいそうなほど、何がなんだか分からなくなっていた。快感の白い波に、全てが押し流されて。どっちが前でどっちが後ろか。自分がどんな状況にいるのか。さっぱりわからなくなったんだ。

ただ、壁に叩きつけられた。それだけは理解できた。

べしゃりと情けない音を立てて、壁から床へと落下する。何か暖かい物が私にかかってる。遠くで小秋の笑い声が聞こえる気がするけど、どうでもいい……。ただ、私が私を保つのに必死だった。私が、私でなくなってしまいそうで。

「――さん!夏紀さん、ほら!」

はっと我に返る。私は今、まで何を考えていたんだろうか。意地悪い小秋の声と、私を包む暖かさがくっきりと分かる。

「自分のおしっこを浴びて気持ちいいですか?はしたないですよ?」

!?
な、な、な!じゃあ、私が今暖かいと思ってたのって!
「ふふ。どんな顔してるのか、裏からでもわかりますよ」
そこまで言うと、小秋は私をまた掴み上げた。
「そう、そんな顔ですよ、夏紀さん。ほら、見てください、壁に叩きつけられた所。ここに歪(いびつ)な線が見えますよね?これが、夏紀さんの大事な所の跡ですね。うっすらできてるこの円は、多分お尻の穴ですね」

絶望。そうとしか言いようが無かった。こんなの、あんまりだ。恥ずかしいどころか、顔から出た火で焼け死んでしまいそうだ。
「……また溢れてきましたね」
正直な身体にも、絶望だ。
「ふふふ。夏紀さん。さっきよりも身体が大きくなって、可愛いですよ」
また鏡が私の目の前に現れる。彼女の言う通り、私はホットケーキからピザへとランクアップしていた。代わりにますます薄くなったけど。紙みたいだ。
小秋が笑って私をヒラヒラさせる。ひんやりした空気を受けて、敏感になった私の身体がビクビク震える。
「……良いことを思い付きました」
波打つ私を見て小秋は何を思い付いたのか。そう言うと、いつも私達がお世話になっている双頭ディルドをベッドの下から取り出した。
「ここまでうすっぺらいと、少しぐらい入れても大丈夫そうですし」

小秋はそう言うと、私を股に……小秋の秘裂に、私の顔の部分をはりつける。小雪の愛液でぺったりと。
一方私は、割れ目の感触を顔いっぱいに受ける形となり、突然のサービスに大喜びだ。さっきの台詞が少し気になるけど……。
と、私の顔のちょうど裏側に何かがあてがわれる感触が。――ディルドだ!

……あれ?このまま小秋が、ディルドを小秋の中に挿入しようとしたら。私も捲き込まれるよね?……あれ?
「……多分大丈夫です。潰されても大丈夫だったんですから」

むっ……!

ムリムリムリ!!そんなの絶対無理だって!いや、できるかもしれないけどさぁ!さすがにそんな冒険をするなんて!
「……ふふ。夏紀も、またじわじわ溢れてきてますよ」
そう言って、もう引き延ばされて原型をとどめていないアソコを、小秋はなぞる。……悲しいかな。頭では無理だと思ってても、興奮してしまっている私がいるのだった。ああ、もう!どうにでもなれ!!
「そ、それじゃあ入れますね」
つぷり。

あ、う。

あげるとしたらそんな声だっただろう。小秋の裂け目が大きく赤い口を開けたかと思うと、すぐに私の視界は暗転して。それから蕩けてしまいそうな熱さを、小秋の熱を、顔全体で感じ取った。
付き合ってから何度も抜き差ししたからだろう。私が間に挟まっていても苦しむそぶりは見せず、小秋の下の口はゆっくりとディルドを呑み込んでゆく。

顔が、亀頭に張り付くように。身体が茎の円柱形に沿って。ずぶずぶと、ディルドに合わせた形になりながら、奥へ、奥へと押し込まれてゆく。コンドームにでもなった気分だ。
熱い小秋の肉壁の感触と、無機質なディルドのシリコンの感触とに挟まれた私。気分はそこまでよくはないけど、興奮は凄い。
私は今、小秋の中に入っていってるんだ……!顔に絡み付く小秋のひだを感じる。小秋の熱を感じる。小秋を、感じる。
「っ……もう、我慢できません……!」
と、ディルドが中から引き抜かれる。芯を失った私は小秋の膣圧に負けて風船のようにぺしゃんこにされる。目を白黒させていると、驚きの宣告が。

「夏紀さん……っ!いまから、あなたを私の中に入れますっ!」

えっちょっ!?どういう――
突然、彼女はまだ外にあった私の身体を掴み、乱暴に丸める。それで、またディルドをあてがって、貫く。
「あんっ!」

新しく中に入ってきた分だけ、私の先っぽ……顔の部分が奥に進む。と、目の前がフラッシュする。ヤバいこれ。すぐにイッちゃいそうだ。
小秋は、さっきみたいに丁寧に押し込まない。はみ出てるのをぎゅうぎゅうに丸めて、あてがって、ディルドで押し込む。
「なつきっ!」
普通のプレイだと奥――子宮口まで届く、なんて事はないんだけど。こうやって無理やりに押し込められていくと。遂にそこにまで辿り着いてしまう。いつの間にか、はみ出ていたお腹とか足も小さく纏められて、中へ入っていた。
もう一度、ディルドで強く押し込まれるのと同時に、私の身体が全部暖かい所へ――小秋の膣いっぱいに押し込められたことが分かった。ディルドの動きが止まる。
「や、なつきっ、はいっちゃった……」
まわりの襞(ひだ)が細長い私に絡み付いて、きゅうきゅう私を締め上げる。こ、こんなにぎゅうってされたら、私、小秋の形になっちゃうよぉ!
「そ、そんなに震えちゃうとわた、わたしっ、無理!イっちゃいます!」
締め付けが強くなる。もうこの形のまま一生戻れなくなるんじゃないか、ってぐらい。小秋が私に絡まって、私が小秋の中にいて。
「あっ、あっ、やあっ!」
ぎゅううっ。潰されちゃいそうだ。もう、無理だよっ!耐えられない!

「なつきいいっ!!」

――小秋いいっ!!

* * *
どくり、どくり。
私の中で夏紀さんが跳ねると、中で何かが出された感じがします。中出しの感覚ってこんななのなんでしょうか……って。
「……あれ?」
何でそんな感じがするんでしょう。中にいるのは夏紀さんだけで、出す要素などどこにもないのに。
――その疑問に答えが出せないでいましたが、やがて諦めました。分からないものは分からないのです。

私が達してから、一段落した後、自らの状況を冷静に確認します。
下腹部に異物感。大事な所に友人を入れて、挙げ句の果てにイってしまいました。彼女が無事なのか、彼女にとって嫌な事では無かったのか。毎回責めが終わる度に不安になってしまいます。
姿見に写った自分の姿を見て、ひどく情けないように感じて――と、いけません。まだ、夏紀さんを中に入れたままでした。

――私は漏らしていないのに、股から黄色い液体が垂れてきているのに気付きます。一瞬、何故か考えましたが、すぐに見当がつきました。中で夏紀さんが漏らしてしまったのでしょう。
慌てて、私はクレバスの底から彼女を救いだすべく、指先を突っ込み――いやらしい水音がしました――彼女のを引っ張り出します。力を込めて。

「んおおおっ!?」

……一瞬、身体が固まります。誰の声かと思いましたが、この部屋にいて、なおかつ声を上げれたのは私しかいません。品の無い声は、私の物でした。酷く恥ずかしいです。夏紀さんに聞かれてしまったら、ちょっと嫌です。

内側から引き出す作業は、難航してしました。引き出す時に夏紀さんがうまい具合に引っ掛かって、私の弱い所を擦(こす)ってしまうのです。
「んっ……おおっ……!」
声を我慢しようとしても、一度果てて弱くなった身体では耐えられません。突っ込むばかりだった私には慣れない刺激です。変な声を出しては、静かな部屋に響くのを感じ、顔を赤くします。今までいじめてきた分だけ、仕返しをされているような気分でした。いやらしい刺激と背徳感から、胸の奥がぐずぐず刺激されます。

そして、ぬるりとした塊――夏紀さんを完全に引っ張り出した時には、冷めたはずの私の身体はまた火照ってしまっていたのでした。
細長い彼女の形は、そのまま私の膣の形です。
それを広げて元の形に戻すのを、一瞬ためらってしまいます。さもしくも、あわよくば夏紀さんをディルド代わりにして楽しんでしまえないか、などと考えて。
……彼女が気持ちよくなかったかもしれないので、確認の為に一度広げます。もしも大丈夫だったら、また入れて整形し直せばいいだけの話ですから。
丸められた紙のごとく、夏紀さんはしわくちゃになってしまいました。当然といえば当然ですが。まるで使い古された雑巾のようです。
肝心の彼女の様子を確認します。
表の顔は、はっきりとは分かりませんが。見た感じ、私がお尻を開発した時と――初めて後ろの穴だけで果てさせた時と同じ目をしています。蕩(とろ)けそうな、幸せそうな目です。安心しました。
……一応、裏の確認もしておきます。ひしゃげた後孔も歪んだ割れ目も、ひくついていました。大丈夫そうです。もう一度表を向け、彼女に呼び掛けます。
「今の夏紀さん、雑巾みたいですよ」
私の体液で汁だくになった身体がぬらぬら光り、私の嗜虐心を刺激します。
「『濡れ拭き』をするにしては濡れ過ぎてますから……絞ってあげます」
一瞬、彼女の目が見開かれます。けれども、またすぐにとろんとしたのに戻ります。彼女は、私に火を付ける才能でもあるのでしょうか。心が熱く燃え上がります。
先程と同じようにまた彼女を細長く、ぐしゃぐしゃに折り固めます。そして、浣腸時に使う洗面器を取り出し、その上でぎゅうぎゅう彼女を絞ります。
始めはある程度加減をしようと、彼女を傷付けないようにと思っていました。ところが落ちていく水を見て、やはり私は歯止めが利かなくなってしまうのです。
私のと夏紀さんとのカクテルが、溜まっていきます。そう考える度に、私の子宮はきゅうきゅうなって。力が徐々に籠ってゆきます。それでも、滴(した)る水は一向に勢いを落としません。これはもう、大丈夫だろう。そう考え、私は思いっきり、ぎゅうと捻りました。
――雑巾が大きく震えたかと思うと、透明な液体が黄色く変わりました。私の中で出しきっていなかったのか。また、漏らしてしまったのでしょう。この状態でしてしまったら、全身に染みてしまうはずです。まあ、自分が出した物ですから文句は言えないと思いますが。
黄色の液体がそれから出なくなった頃、ようやく私は手を緩めます。それからすぐに、広げて様子を確認します。
夏紀さんの目は焦点が合っていませんが、虚ろではありません。これだったら大丈夫です。むしろ、ここからが調教のしがいがあるのです。徹底的に身体に覚え込ませる。そのつもりで取りかかります。
また私は彼女を股にあてがい、ディルドを手に取りました。
* * *
「夏紀さん、ごめんなさい!」
「ふんだ!小秋のバカ!」
次の日、夏紀さんは完全にへそを曲げてしまっていました。さすがにやり過ぎたのです。私は計5回。彼女は計12回。何の回数かは詳しく述べませんが、昨日の私は獣(けだもの)と言われても仕方がないぐらいに盛ってしまったのでした。
新しい楽しみを見つけた喜びから自制が働かなかったとはいえ……。
「もうちょっと私の事も考えてよ!」
「ごもっともです。でも、夏紀さんが可愛くて、つい」
「『つい』じゃない!!」
いつもなら何でも許してくれる誉め言葉も、通用しません。それからも、彼女がひどく腹を立てているのは容易に分かりました。
「小秋のバカ!もう知らない!」
ドアを乱暴に開けて、夏紀さんは出ていってしまいます。せっかく謝ろうと私は彼女を家に招いたのに。――そしてその後また愛し合いたいなぁ、できれば夏紀さんをぺしゃんこにして、なんて思ってたのがいけなかったみたいです。
私は独り、部屋に残されてしまいました。
「ど、ど、どうしましょう」
頭では冷静に考えてるつもりなのですが、身体はそうはいきません。心臓が爆発しそうです。黒い不安が私の心をすっぽり包むと、とたんに弱気になってしまうのです。
もっと簡単に許してもらえると思っていました。そのせいで、夏紀さんに嫌われてしまったのではないか。許してくれないのではないか。このままだと別れることになってしまったら――そうなったら、どうしようもない変態でレズの私だけがぽつんと残されることになってしまいます。
想像してみると、目眩がしました。そんなの、そんなの――
「む、無理です!死んじゃいます!……ど、どうやったら許して……あ、そ、そうだ!」
頭の中に電球が点きました。私は夏紀さんにメールを送り、その後ペンと紙を取り出しました。

* * *
夏紀さんが、私を訝(いぶか)しそうに見下ろします。私は、何も言えません。少しの間、彼女は手に持った紙と私を交互に見て、それから言いました。
「あのさぁ……なんというか……」
それから、呆れたように頭を掻いて続けます。
「さっきは怒鳴っちゃって悪かったよ、うん。でもさぁ……素直っていうか健気っていうか」
そう言って、手に持った紙をぴらりとこちらに向けます。私の字で、こう書いてありました。
『昨日はごめんなさい。今日は私が潰れていますから、好きにして下さい』

「…………はあ。帰る」
え、そ、……そんなぁ!ごめんなさい!後ろの穴に入れても雑巾がけでも何でもいいですからぁ!
「嘘よ。ちょっと言ってみたくなっただけ」
そう言うと、夏紀さんは意地悪く笑うのでした。


おしまい。
  1. 2014/02/01(土) 10:27:40|
  2. 平面化
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